前回の記事ではVienna Symphonic LibraryでWoodwindsの基本的なテンプレートをつくるところまでいきました。Cubaseで実際にトラックを作っていく前に、ここではどのような流れでVienna Symphonic Libraryのような仮想の楽器がCubase上で処理されていくのかということを説明していきたいと思います。ここで説明していくことをあらかじめ知っておくことで、実際にトラックを作成していくときにどのような流れで信号が流れているのかを理解しやすくなるでしょう。Cubaseの具体的な操作手順は次回説明します。
前回の記事で出来上がったところまでを図で示すと下のようになります。
これは厳密に言えば以下のようになります。
実はInstrument Trackは目には見えませんが、MIDIとAudioトラックの二つのパートからなっているのです。前の記事で述べた通り、まだフルートの音しかなりません。これはInstrument Trackを作成したときに初期設定でMIDIチャンネルの出力先が1となっているからです。
前回、MIDIチャンネルを1-11まで順に設定していきましたが、Instrument Trackから選択できるチャンネルは1個だけです。すべての楽器を録音するためには11個分のMIDIトラックを別に作成しなくてはいけません。
MIDI信号が正常にVienna Ensembleに届くと、下図のように緑色のランプが点灯します。これはMIDIチャンネル6のトラックから信号を受け取っている状態です。
緑のランプが点灯していればVienna Ensembleで該当するMIDIチャンネルが正常に動作している証拠です。ただし、MIDIのトラックを設定しただけではまだ音はなりません(Flute1を除いて)。前回、Vienna Ensembleのオーディオの出力先をOUT 1/OUT 2, OUT 3/OUT 4… といったように、楽器ごとにオーディオの出力先を変えました。実はCubaseの初期設定ではInstrument Trackは、OUT 1/OUT 2の1つのステレオチャンネルしか出力出来ないようになっています。
これを修正するにはCubase側でVienna Ensembleから複数のアウトプットを受け取れるようにします。これはVST InstrumentのRackのActivate Outputsから設定できます。
Rackが表示されてない場合は、Set up Window LayoutからRacksを選択します。
ここまでの手順でとりあえず音は出るようになります。次の記事ではここで説明したことを踏まえてCubaseで実際にトラックを作っていこうと思います。
Tomokazu Hiroki
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