前回までの記事ではWoodwindsの基本的なテンプレートを作るところまでいきました。ここまでの説明でVSL(Vienna Symphonic Library)を使ったテンプレートの作り方は大体マスターしたと思います。今回は同様の手順でストリングスとブラスのテンプレートをVSLでつくっていきましょう。ストリングスとブラスのテンプレートが出来上がりましたら、最終的にCubaseのトラックを見やすくオーガナイズします。
1. 新たにVienna Ensembleを2つ立ち上げます。手順はこの記事(Film Scoring Template 1)を参照してください。
2. Instrument Trackが出来上がりましたら、それぞれ分かりやすいように名前を変更しましょう。
3. 先程の記事のStep4~7の手順を参考にしながら、ストリングスとブラスのテンプレートを作っていきます。Vienna Ensembleを表示したり、切り替えたりする方法が分からない場合はこちら(CubaseでVSTインストゥルメントを立ち上げる方法(Vienna Ensembleの場合))を参照してください。
使うパッチは以下の通りです。最終的に下の画像のようになります。
ストリングスパッチ
1st Violins – 05S Vl-14 legato
2nd Violins – 05S Vl-14 legato
Violas – 15S VA-10 legato
Cellos – 25S VC-8 legato
Contrabass – 35S DB-6 legato
ブラスパッチ(Hornはソロとアンサンブルの両方を用意します)
Horn1,2,3 &4 – 12S HOvn legato
Horn Ensemble – HO-a4 legato
Trumpet1~3 – 14 TrC legato
Trombone 1&2 – 04S TTB legato
Bass Trombone – 22S BTB sustain
Tuba – 02S TU sustain
ここではほとんどレガート(Legato)のパッチを選びましたが、今後キースイッチを使ってsustainやstaccatoなどにパッチを切り替える方法なども説明します。
*ストリングス*
*ブラス*
4. MIDIトラックを作成します。Woodwindsのときの手順と同様、MIDIトラックを作成していきましょう。
*重要
MIDIトラックを追加する前(+Add MIDI Trackを選択する前)に、追加したいinstrument Trackを最初に選択しておきます。そうすることで、追加したMIDIトラックが自動的にその楽器のMIDIインプットに接続されます。
MIDIトラックを追加する際、StringsパートはStrings, BrassパートはBrasesと名前をつけてください。StringsのMIDIトラック数は5, BrassのMIDIトラック数は12です。
5. “Strings 5”と”Brasses 12”のMIDIチャンネルをどちらも1にし、それぞれ上部に移動します。
6. Rackのアウトプットをアクティベートします(参照)
ここまでの手順で全てのVSLのテンプレートとトラックが出来上がりました。後はこちらの記事を参照してトラックに色をつけたり、フォルダにまとめたりしてオーガナイズしてください。Instrumentトラック、MIDIトラック、さらに楽器郡ごとにフォルダにまとめていきましょう。最終的に以下のようになれば完成です。このテンプレートではまだ細かなアーティキュレーションやダイナミクス、パンニングなどの設定は終わっていませんが、次回からその設定をしていきます。
*完成図*
フォルダを1段階展開した状態
さらに展開した後
Tomokazu Hiroki
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ピンバック: Film Scoring Template 3 -Cubaseのセットアップ(木管群)- – Tomokazu Hiroki Blog
細かな情報まで手取り足とり教えてくださり、とてもわかりやすく、参考になりました。Viennaを使用してのfilm scoring作成でここまで丁寧にテキスト情報と写真を使って説明されている記事はなかったので、大変助かりました。film scoringにおいてのパンニングや、EQなどの細かな設定などもぜひ拝見したいです。他の記事もとても面白かったです!続きを楽しみにしています。