Film Scoring Template 4 -ストリングス&ブラステンプレートの作成とCubaseのオーガナイズ-

前回までの記事ではWoodwindsの基本的なテンプレートを作るところまでいきました。ここまでの説明でVSL(Vienna Symphonic Library)を使ったテンプレートの作り方は大体マスターしたと思います。今回は同様の手順でストリングスとブラスのテンプレートをVSLでつくっていきましょう。ストリングスとブラスのテンプレートが出来上がりましたら、最終的にCubaseのトラックを見やすくオーガナイズします。

1. 新たにVienna Ensembleを2つ立ち上げます。手順はこの記事(Film Scoring Template 1)を参照してください。

Screen Shot 2016-01-22 at 3.06.19 PM

2. Instrument Trackが出来上がりましたら、それぞれ分かりやすいように名前を変更しましょう。

Screen Shot 2016-01-22 at 3.05.27 PM

3. 先程の記事のStep4~7の手順を参考にしながら、ストリングスとブラスのテンプレートを作っていきます。Vienna Ensembleを表示したり、切り替えたりする方法が分からない場合はこちら(CubaseでVSTインストゥルメントを立ち上げる方法(Vienna Ensembleの場合))を参照してください。

使うパッチは以下の通りです。最終的に下の画像のようになります。

ストリングスパッチ

1st Violins – 05S Vl-14 legato

2nd Violins – 05S Vl-14 legato

Violas – 15S VA-10 legato

Cellos – 25S VC-8 legato

Contrabass – 35S DB-6 legato

ブラスパッチ(Hornはソロとアンサンブルの両方を用意します)

Horn1,2,3 &4 – 12S HOvn legato

Horn Ensemble – HO-a4 legato

Trumpet1~3 – 14 TrC legato

Trombone 1&2 – 04S TTB legato

Bass Trombone – 22S BTB sustain

Tuba – 02S TU sustain

ここではほとんどレガート(Legato)のパッチを選びましたが、今後キースイッチを使ってsustainやstaccatoなどにパッチを切り替える方法なども説明します。

*ストリングス*

Screen Shot 2016-01-22 at 2.49.36 PM

*ブラス*

Screen Shot 2016-01-22 at 11.37.29 PM

4. MIDIトラックを作成します。Woodwindsのときの手順と同様、MIDIトラックを作成していきましょう。

*重要

MIDIトラックを追加する前(+Add MIDI Trackを選択する前)に、追加したいinstrument Trackを最初に選択しておきます。そうすることで、追加したMIDIトラックが自動的にその楽器のMIDIインプットに接続されます。

Screen Shot 2016-01-22 at 8.57.23 PM

MIDIトラックを追加する際、StringsパートはStrings, BrassパートはBrasesと名前をつけてください。StringsのMIDIトラック数は5, BrassのMIDIトラック数は12です。

Screen Shot 2016-01-22 at 9.08.32 PM

5. “Strings 5”と”Brasses 12”のMIDIチャンネルをどちらも1にし、それぞれ上部に移動します。

Screen Shot 2016-01-22 at 9.16.40 PM

6. Rackのアウトプットをアクティベートします(参照

Screen Shot 2016-01-22 at 9.35.11 PM

ここまでの手順で全てのVSLのテンプレートとトラックが出来上がりました。後はこちらの記事を参照してトラックに色をつけたり、フォルダにまとめたりしてオーガナイズしてください。Instrumentトラック、MIDIトラック、さらに楽器郡ごとにフォルダにまとめていきましょう。最終的に以下のようになれば完成です。このテンプレートではまだ細かなアーティキュレーションやダイナミクス、パンニングなどの設定は終わっていませんが、次回からその設定をしていきます。

*完成図*

Screen Shot 2016-01-22 at 10.05.02 PM

フォルダを1段階展開した状態

さらに展開した後

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Tomokazu Hiroki

バークリー音楽大学院(ミュージックプロダクション・テクノロジー・イノベーション専攻)でM.M.(音楽修士),バークリー音楽大学Post Mater’s Degree Fellowship(フェローシップ)を修了。Wwise認定インストラクター。Artful Designというコンセプトを軸に,XR音楽インターフェイスOPSYNなどを研究(Epic Games社よりEpic MegaGrantsを受賞)。音楽とテクノロジーを中心としたトピックを扱っています。

「Film Scoring Template 4 -ストリングス&ブラステンプレートの作成とCubaseのオーガナイズ-」への2件のフィードバック

  1. ピンバック: Film Scoring Template 3 -Cubaseのセットアップ(木管群)- – Tomokazu Hiroki Blog

  2. 細かな情報まで手取り足とり教えてくださり、とてもわかりやすく、参考になりました。Viennaを使用してのfilm scoring作成でここまで丁寧にテキスト情報と写真を使って説明されている記事はなかったので、大変助かりました。film scoringにおいてのパンニングや、EQなどの細かな設定などもぜひ拝見したいです。他の記事もとても面白かったです!続きを楽しみにしています。

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